「一度飲んだ芋焼酎が臭くてそれ以来飲めない」という方が多くいらっしゃいますが、それはどの芋で作られた焼酎だったのでしょう?
「芋焼酎」といっても、いろいろな「芋」から作られています。
使用する芋によって香も違ってきます。(もちろん、使用する麹やアルコール酵母、蒸留方法によっても変わってきます)
それぞれの品種が持つ香り成分が違うので、芋焼酎といっても芋により香りはまったく異なります。
白芋系、紅芋系、オレンジ芋系、紫芋系。。
焼酎に使われている芋の種類は40を超えるといわれています。
今回はこの4つについて簡単にお話しします。
- 白芋系(黄金千貫、ジョイホワイトなど)
焼酎造りで一番多く使われているのが黄金千貫。全焼酎の90%がこの芋でつくられているとか。でんぷん質が多く(※)アルコール量が取れやすく一度栽培したらザクザク大量に収穫できるということで(黄金色をした表皮でざくざく大量にとれるから黄金千貫と言われているとか)この芋を使用している蔵元さんが多いとか。
皆さんがご存じの銘柄ですと
黄金千貫を使った焼酎は、霧島酒造「黒霧島」「白霧島」薩摩酒造「さつま白波」
村尾酒造「村尾」、三岳酒造「三岳」など。
- 紅芋系(紅はるか、ベニオトメ、ミヤザキベニ)など。
スーパーでよく見かける赤皮の芋。焼き芋やお菓子によく使われています。
あま~い香りや爽やかさが特徴。リンゴや洋ナシのような香りも。個人的に、紅芋で作った焼酎の香りをかぐと幸せな気持ちになります。
銘柄だと「紅はるか」は。西吉田酒造「NOMITAKA」、光武酒造「北斗の拳コラボ焼酎・ラオウ版」など。「ベニオトメ」は大海酒造「海」、「ミヤザキベニ」は、小玉醸造「杜氏潤平」など。
- オレンジ芋(ハマコマチ、タマアカネなど)
オレンジ芋は名前の通り断面がオレンジ色!この芋から作られる焼酎は、リナロール(※2)やダマセノン(※3)を多く含み。β-イオノン(※4)はオレンジ芋だけに含まれ、花や柑橘、紅茶、トロピカルフルーツの香りなどを楽しむことが出来ます。
「ハマコマチ」の焼酎といえば!2月5日焼酎女子会で取り上げる大口酒造「伊佐小町」!
「タナマカネ」は、霧島酒造「茜霧島」など。
- 最後に紫芋(ムラサキマサリ、アヤムラサキ)など。
果肉が紫色のさつま芋。アントシアニン色素を多く含まれることが知られていますが、紫芋を原料とした焼酎は「ヨーグルトの香り」「ワインの香り」と言われることが多いです。多く、芋にアントシアニン色素が多ければ多いほど、この香りを生むジアセチルの濃度が高まるといわれています。
銘柄だと「ムラサキマサリ」は、霧島酒造「赤霧島」「芋麹焼酎 吉助赤」明石酒造「明月まさり」など。「アヤムラサキ」は霧島町蒸留所「「明るい農村の四季・秋」など。
ざっと簡単にまとめてみましたが、芋によって香りが違うことをご理解いただけたでしょうか。
焼酎女子会でも芋別の味の違いを楽しめる会をしたいとおもっておりますので乞うご期待♡
(※1)でんぷんを麹で分解して糖にし、その糖を餌に酵母がアルコールを生成する。
(※2)沈丁花やラベンダー、ベルガモットなどの香り成分
(※3)バラやコーヒーのなどの香り成分である
(※4)紅茶やトロピカルフルーツの香り成分
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