一見、何の関係もないように思われる「歌舞伎」と「焼酎」。しかし実は江戸時代、焼酎は歌舞伎の舞台裏で重要な小道具(演出)として使われていました。
その根拠となるのが、1803年刊行の歴史資料『戯場訓蒙図彙(かぶきくんもうずい)』です。当時の劇場の構造や小道具をイラスト付きで解説した一級資料ですが、ここに「焼酎火(しょうちゅうび)」の記述があります。
これは、布切れに焼酎を浸して火をつけ、長い棒(差し金)の先に括り付けて操る演出です。『東海道四谷怪談』のお岩さんの霊が出るシーンや、狐火、人魂といった怪奇現象(陰火)を表現するために使われました。
では、なぜ焼酎だったのか?
当時の一般的な照明(行灯や蝋燭)の炎はオレンジ色でしたが、アルコール度数の高い焼酎を燃やすと、怪しげな「青白い炎」になります。これが怪談物の恐怖や妖しさを引き立てるのに最適だったため、あえて焼酎が選ばれたのです。
そんな焼酎と歌舞伎の面白いご縁に想いを馳せながら、先日、六月博多座大歌舞伎(尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露、尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露)を観劇してまいりました。
12歳とは思えない、新・菊之助さんの腹の据わった素晴らしい演技。歌舞伎の名門に生まれ、その名跡を背負う覚悟と決意が、ひしひしと伝わってきました。
菊五郎さん、菊之助さんによる口上、そして気迫あふれる連獅子。ただただ素晴らしく、日本の伝統文化の奥深さを改めて実感する時間となりました。
「名門の伝統を背負う姿」に強く胸を打たれ、私も「黒瀬杜氏の思いをしっかり後世に残していく」という決意を新たにしました。歌舞伎の舞台が放つ青い炎の歴史を知り、私の心には、また熱い赤い炎が燃え上がっています。
六月博多座大歌舞伎は、6月22日まで。

【公演終了】『六月博多座大歌舞伎』|公演案内|福岡の演劇専用劇場 博多座
『六月博多座大歌舞伎』の公演詳細情報です。福岡の演劇専用劇場 博多座の公式ウェブサイトです。博多座での公演に関する詳細情報を紹介しています。



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